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実験テーマ
CROSS†CHANNEL
実験日時
2004年1月 総プレイ時間は17時間程度
実験の目的
「倒錯的な箱庭の世界で、主人公がやがて辿り着く結論と結末」について学ぶ
実験試料
メーカー
FlyingShine
ジャンル
学園青春ADV
発売日
2003年9月26日
仕様等
CD2枚構成 

実験概要
夏。

学院の長い夏休み。
崩壊しかかった放送部の面々は、
個々のレベルにおいても崩れかかっていた。
初夏の合宿から戻ってきて以来、
部員たちの結束はバラバラで。
今や、まともに部活に参加しているのはただ一人という有様。

主人公は、放送部の一員。
夏休みで閑散とした学校、
ぽつぽつと姿を見せる仲間たちと、主人公は触れあっていく。

屋上に行けば、部長の宮澄見里が、
大きな放送アンテナを組み立てている。
一人で。
それは夏休みの放送部としての『部活』であったし、
完成させてラジオ放送することが課題にもなっていた。
以前は皆で携わっていた。一同が結束していた去年の夏。
今や、参加しているのは一名。

そんな二人を冷たく見つめるかつての仲間たち。
ともなって巻き起こる様々な対立。
そして和解。
バラバラだった部員たちの心は、少しずつ寄り添っていく。

そして夏休み最後の日、送信装置は完成する―――
装置はメッセージを乗せて、世界へと―――

(メーカーサイトより)

実験結果
攻略キャラ

山辺 美希  
放送部部員。
佐倉霧の相方。二人あわせてFLOWERS(お花ちゃんたち)と呼ばれる。
無邪気で明るい。笑顔。優等生。何にもまさってのーてんき。
太一とは良い友人同士という感じ。

佐倉 霧
放送部部員。 中性的な少女。 大人しく無口。引っ込み思案で、人見知りをする。
でも口を開けばはきはき喋るし、敵には苛烈な言葉を吐く。
凛々しく見えるが、じつは相方の山辺美希より傷つきやすい。
イノセンス万歳。

宮澄 見里   
放送部部長。みみみ先輩と呼ばれると嫌がる人。けどみみ先輩はOK(意味不明)。
穏和。年下でも、のんびりとした敬語で話す。
しっかりしているようで、抜けている。柔和で、柔弱。

桐原 冬子
太一の姉的存在(自称)で婚約者(自称)で一心同体(自称)。
超人的な万能人間。成績・運動能力・その他各種技能に精通している。
性格は冷たく苛烈でわりとお茶目。ただしそれは行動のみで、言動や態度は気弱な少女そのもの。
滅多に人前に姿を見せない。太一のピンチになるとどこからともなく姿を見せる。

支倉 曜子
シュールレアリズム派の画家を父親に持つ少女。
数年前に転入してきたが、それ以上の事は本人が何も言わない為、謎が多い。
時折独りで行動しているのを見かけるが、それ以外の時に一体どこで何をしているのか誰も知らない。
唯一、明日菜だけは行動を共にしているのを見かける事がある。

堂島 遊紗
太一の近所に住んでいた少女。
群青学院の中等部に通う。
太一に仄かな恋心を抱くが内気なので告白は諦めていたところに、
先方から熱っぽいアプローチが続いてもしかしたらいけるかもという期待に浮かれ 心穏やかでない日々を過ごす少女。
利発で成績は良いが、運動が苦手。
母親が、群青学院の学食に勤務している。肝っ玉母さん(100キログラム)。

七香
自転車に乗って太一の前にたびたび現れる謎の少女。
謎ではあるが、物腰は勝ち気で活発と謎っ気は薄い。


(メーカーサイトより)

 

システム  修正パッチ有り

無難なのですが、痒い所に手が届かないシステムと言うか…
一番痛いのが、オートモードにすると音声&音楽が鳴らないところ。
デフォルトの設定にすればもちろん鳴るのですが、
そうするとかなりプレイスピードが緩慢になりますね。

後はバックログで読めるテキストの絶対量が極端に少ないです。
音声も再生できるのは大変好ましいのですが…
読ませるシナリオなのでこの問題は私にとっては大きく感じました。

既読スキップ搭載。セーブは全部で100個。
オートセーブとクイックロードシステムもあります。
オマケはCGと音楽鑑賞。シーン回想はHシーンのみです。

 

CG  原画:松竜氏

淡い色使いと、大きな目、眉が特徴的。
一般的に好まれる絵柄だと思います。

背景は綺麗なのですが、細かいところまで表現しきれていない感じ。
夕陽の色使い等は巧みだと思いました。

問題点は、イベントCGと立ち絵とのギャップが若干あるところでしょうか。
やけにガタイが良くなったり、顔がリアルになったりとかします。

特徴的なのは、主人公の顔もバンバン出てくるところとか。
ギャグシーンでたまに劇画調になったりするのが良いですね(笑)
あと笑いどころで、ポップアップで小さめのCGを出してくる試みも面白いです。

このポップアップのCG…巧くまとめて誰か壁紙にしてくださいませんか(他力本願
そしたら私にお年玉としてこっそり…ねぇ?(犯罪です

CG枚数は全部で84枚。特に少ないとは思いませんでした。
使い回しが結構ありますが、特に気になるほどでもないです。
と言うか使いまわすことになるのは自明の理なストーリーなのですが。

 

サウンド  

ピアノをメインとした、落ち着いた雰囲気の曲が多いです。
それがまずまずの出来で、シリアスな場面でも結構な活躍をしてくれます。
逆に気になった点としては
ギャグシーンが多いのにもかかわらず、ネタ系の曲が少ないので、
逆にそれが浮き彫りになってしまっているくらいですかね。

驚いたのが「Signal」と言う曲。
EDテーマをハミングや「ラララ」だけでコーラスアレンジした曲なんですが、
プレイ中にいきなり流れるのでビビりました(^^;
抵抗を感じたのは私だけなんですかね?いや、普通にいい曲なんですけどね。
アリかナシかって言えば、ナシかなぁと思うのですが…

曲数は全26曲。EDテーマはボーカル入りです。
お気に入りは「Crisscross」「Crystal-clear」EDテーマの「CROSSING」辺り。
EDテーマの歌詞は、ちゃんと確認してませんが、
恐らくネタバレ度が大きい歌詞だと思います。
ライターの田中ロミオ氏本人が書いてますしね。

音声は、主人公以外フルボイス。演技の方も合格点です。
効果音は至って普通。お腹の鳴る音はどうかと思いましたけど(^^;

あと、このゲームは絶対に主人公にも声が必要だと私は思いました。
このゲームの主人公は、「プレイヤー自身」の分身ではなくて、
飽くまで作品の中の登場人物、主役です。
どんな選択肢を選んだって、
恐らくプレイヤーの気持ちを反映はしてくれないと思います。
イメージを壊してでもいいので、思い切って声を入れて欲しかったですね。

 

シナリオ  製作:田中ロミオ氏

実はD.O.の山田 一氏だと言う噂があるライターさんが書いてます。
真相は…はてさてどうなんでしょ。
私はプレイしてて、「確かに山田節かも…」とは何度も思いましたけど(^^;

主人公がバカで、実はかなり頭のキレる設定だったり、
頭のちょっとイタい娘をキャラとして扱ったりね。
またかよ!って感じでしたもん。
もちろんギャグ1つ1つ(下ネタ含む)に至るまで、山田氏っぽいなぁと…

「学園青春ADV」と言う名目はありますが、それは飾りにすぎません。
端的に言えばSF、メタものです。しかもストーリーは一本道。
潔よいことにエンディングは一つしかありません…多分。

扱っているテーマは壮大なのですが、結論は至ってシンプル。
その結論が前述したように、主人公の目的だったりするのです。
総プレイ時間は約17時間。
主人公が紆余曲折回り道をしながらやがて辿り着くその結論まで、
淡々と読み進めて行きましょう。多分、あっと驚かされます。

C.Cはループ的流れを取っています(ex:歌月十夜
プレイ時に日付が出てこない理由がここにあって、
時間的トリックを巧みに利用してプレイヤーを驚嘆させるのは凄いの一言。
大量の伏線張りもその効果を相して、
エンディングに至るまでに徐々に解き明かされて行く謎や事実を知ることで、
プレイヤーのやる気を高めつつ、引き込みつつ、
終末での感動をより一層高めていると思いました。

問題点としては、若干見られるシナリオの不整合と消化しきれてない伏線でしょうか。
ただ、不整合に関しては「そうだ」と断言できる材料がないので判断し兼ねます。
理由は、プレイすれば分かると思うのでここには書きません。

それと、シナリオ自体がとても特殊なんですよ。
確かに世界観はSFなんですが、深い意味で言えば学園青春モノと捉えられなくもないし…
少なくとも、万人にはお勧めできません。
気になる方は体験版をダウンロードしてプレイしてみれば良いかと。

ただ、今日では珍しく、
伝えたいメッセージ性がかなり表に出てきてる作品だなと思いました。
少なくとも、これほどタイトル(「CROSS†CHANNEL」と言う言葉)の重要性を、
明確に感じられたゲームは初めてです。
出来るならたくさんの人にプレイして欲しいものです。

 

Hシーン

回数は各キャラ2〜3回。テキスト量がかなり多めです。
場面によっては(主人公の心理状態もありますが)、入り方が強引なのが多数。
ただ、不必要だとは思いませんでしたけどね。
人間、不安になると体を重ねたくなるものですし。盟約と言う意味もありますし。
倒錯的な世界の中で、せめてその繋がりを信じたいと言う気持ちもあるでしょう。

声優さんの演技も相まってハァハァ出来るかと思います。
私はシナリオに没頭してたんでサクッと飛ばしちゃいましたけど(ォィ

 


検討と考察
メッセージ性に富んだSF・ADVの秀作。
名作とは言いません。何故なら人によって評価が分かれがちな内容だからです。
でも、山田 一好きなら取り合えずやってみても良いかと(^^;

シナリオの項目で「主人公が辿り着く結論」とか言ってましたが、
私はこれが主人公自身の大いなる自己満足とエゴなんだと思っています。
主人公自身は最善な方法を取ったつもりなのでしょうけどね…
最悪、捉え方次第ではシナリオの全てが彼の妄想と暴走で片付けられてしまう。
脆くて、考えれば考えるほど不条理なシナリオです。納得はいくんですけどね。
だから、この時点では主人公自身への評価はそれほど高くなかったんです。

私としてはちょっと消化不良なエンディングでした。
考え方によってはハッピーエンド、と言うかトゥルーエンドなんでしょうけど、
絶対的な絶望感がなんだか後を付きまとうんですよね。
分かりやすいハッピーエンド主義者の私にとっては、ちょっとキツいなぁと。
つーか凹んだよと。なめんなよと。
毒を吐きつつもやっぱ面白かったなと(笑)
そう思ったわけです。るふぅー。

恒例のお気に入りのキャラですが、
どれも個々の立場から、個性をそこそこ発揮しているのですが、
際立って見えるキャラがいなかったと思います。
ネタバレになるので詳しく言えませんが、
主人公に媚を売っているようにしか見えないキャラが多いので、
人によっては辟易するかもしれません。
個人的お気に入りは、強いて言えば冬子か霧ちんでしょうかね。

遊紗たんが最初、キター!とか言って一人叫んでたんですが、
途中で攻略不可と気付き茫然自失。
2週目以降、彼女はセピア色で登場してきました(プレイした人しか分からない呟き

後はやっぱり桜庭(CV子安武人十文字隼人)ですね。
一声聞いただけであ、頭文字Dの中の人だと思いましたよ?
公道最速理論でも送迎最速理論でもなんでもかかってこーいって感じでした。
男性キャラの中ではダントツで一番のお気に入りです。

最後に、Pastel Gamersさんのネタバレレビューを読んで(ネタバレ度大
「CROSS † CHANNEL」より、「CROSS X CHANNEL」なんだなぁとしみじみ納得。
こんな当たり前の結論に辿り着くまでに、
あれほど苦労した主人公を初めて好きになることが出来ました。

結論
「倒錯的な箱庭の世界で、主人公がやがて辿り着く結論と結末」について学んだ。
って言うかクリアーした。

評価 80点

参考文献
■FlyingShineオフィシャルホームページ

■萌屋本舗さんより(攻略)

■Pastel Gamersさんのネタバレレビュー (是非クリアーした後にお読みください