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実験テーマ
WHITE ALBUM
実験日時
2003年6月(上旬〜中旬) 総プレイ時間は16時間程度(推定)
実験の目的
「大切なものを失って引き換えに得る、真実の愛」について学ぶ
実験試料
メーカー
Leaf
ジャンル
ADV+SLG
発売日
1998年5月1日
仕様等
CD1枚構成 

実験概要
冬のアルバムはいつも白く、切なく・・・ 歌がきこえてくる。

冬の街路、冷たい風の中、その歌声に足を止める。
ミュージックショップの店頭。
ブラウン管の向こうで彼女は歌う。
俺はこちら側で、それを静かに観ている。
大学からの帰り道、冬の風に吹かれて、いつまでも立ち続けて…。

…俺の日常は、こんな風に、いつも平凡で。
ただ一つだけ普通とは違っていること。
彼女のデビュー後も、二人の関係は変わることなく続いてきた。
少なくとも、これまでは。

彼女は彼女の特別な生活を送り、俺は俺の平凡な日常を送る。
誰かが誰かと出会い、別れて、そしてお互いを巻き込みながら、日々はとめどなく過ぎて行く。

真冬の白いアルバムに綴られる物語は、いつだって、ここにある…。

(メーカーサイトより転載)

実験結果
攻略キャラ

森川 由綺  
本作品のヒロイン。
一年前にデビューした新進気鋭の人気歌手。
主人公とは高校時代からの恋人同士で、現在でも同じ大学に通う。
しかし彼女の人気は主人公に災いし、二人を引き離す。

緒方 理奈
由綺と同じ芸能プロダクションの先輩にあたる。
幼い頃からの才能と努力でスターダムに上りつめた実力派のトップアイドル。
美麗な容姿、明晰な頭脳、上品な風格、鍛え上げの実力、揺るがない名声、何ものにもくじけない強い心、
若くして全てを手に入れた彼女。
引き替えに、全ての自分の時間を失った。

澤倉 美咲   
主人公と同じ大学に通う、一年先輩。
読書と料理が好きで、常に慎ましく控えめ。
誰にでも優しく、誰からも愛される、そんな女性。
特に、由綺からは姉のように慕われている。

河島 はるか
主人公とは実家が近所で、幼稚園以来、小中高そして大学まで一緒という間柄。
それでも、友達は友達のままで。
気まぐれで、無気力で、そしてレジャースポーツと散歩を好む。

観月 マナ
ふとしたことで主人公と知り合う女子高生。
むら気、生意気、攻撃的、のステレオタイプ。
そんな彼女の周囲に、友達の姿は見受けられない。

篠塚 弥生
由綺の専属マネージャー。
常に由綺の側にあって、言葉少なに彼女を見守っている。
スターとしての由綺の前途の障害になりうるものは全て除く。
たとえ、由綺の恋人であろうと。
どこか欠落した感情からくる完璧にして冷徹な一途さで由綺に尽くす。
例えるなら、機械。

(メーカーサイトより転載)

 

システム  修正パッチあり

ここが「WHITE ALBUM」の肝です。プレイヤーによっては一瞬でダメゲーと判断されかねないほどの起爆材料に成り得ます。

まずバグがとてつもなく多いので、必ず修正パッチをメーカーサイトから落として当ててください。
以下、Ver2.01の環境にてプレイして得られた詳細を書いていきます。

セーブ個所は5箇所。メッセージスキップは既読スキップのみ搭載。
読み返し機能はあるんですが、若干扱いにくい印象を受けました。
ちなみにフォントや名前は変更可能。オマケは音楽鑑賞とCG鑑賞のみです。

ADV+SLGですが、どの辺がSLGなのかと言うと、
「1週間のスケジュールを決めて行動→行動先でヒロインと会話→体調のパラメータが減る」
といった流れになっているためです。
体調のパラメータはスケジュールを決める画面で「休息」を選べば回復します。効率良く休みましょう。

ヒロインとの会話もパネル形式になっていて、自分が話したいジャンルのパネルを選んで会話するという独特なもの。
でもこれがシナリオの不整合を生み出す原因となっています。
シナリオの流れがどんな状態であれパネルに対応した会話をヒロインとするので 、不自然に感じられる時がかなりあるんですよね(^^;

そしてここが一番重要個所。行動先に登場するヒロインはランダムになっています。
このゲームはある程度目的のヒロインと密に接しないとクリアー出来ないのですが、その目的のヒロインに合うためにセーブ&ロードを強要される場面が多々あります。
ハッキリ言ってめんどくせぇ(;´Д`)

このシステムが元凶でかなりストレスが溜まります。
メーカー側が普通のビジュアルノベルではなくて、敢えてこのシステムを使用した意図が見えてきません。
プレイヤーに「現実」を体感させたかったのか、或いはゲーム性を持たせることで普通のエロゲからの脱却を図りたかったのか…どうなんでしょうね(^^;

 

CG  原画:ら〜・YOU氏

黒目の部分が大きい、かわいらしいキャラ絵が特徴的です。
万人に受けられる絵柄だと思いますが、過去のLeaf作品で原画を担当していた水無月徹氏の絵柄に慣れていた人は多少抵抗を感じるかもしれませんね(^^;

CG枚数は全部で66枚。若干少なく感じるかもしれませんね。
自分のお気に入りの立ち絵等もアルバムに追加可能です。

背景のCGや塗りは総じてクオリティーが高め。クリスマスツリーを見上げるシーン等は素晴らしい出来です。

 

サウンド  制作:石川 真也氏・中上 和英氏・下川 直哉氏

再生形式はCD-DA。BGMは全22曲でボーカル入りが3曲あります。また、オマケがあるのでCDコンポ等に入れて実際に聴いてみるのも面白いかと。

Leafは音楽を大事にするメーカーだと私は思うのですが、今作品でもそれは充分感じられました。
と言うわけで素晴らしい出来です。音楽のために購入しても間違いはないかと。

冬の世界観を表現するためかピアノを用いている楽曲が多いのですが、これが正解だったと思います。
シリアスなシーンで流れる楽曲はどれも良いですね。
またキャラ毎にテーマソングが決まっており、プレイヤーにそのキャラのイメージを持たせるには十分な仕様かと。

恒例のお気に入りですが、「あの頃のように」「澤倉美咲」「篠塚弥生」「FILL YOU」EDテーマの「POWDER SNOW」辺り。
と言うか好きなのが多すぎて選びきれません(ぉ
「POWDER SNOW」は名バラードです。是非とも聴いていただきたい。
OPテーマの「WHITE ALBUM」や「SOUND OF DESTINY」も個人的には好きなのですが、今聴くと若干古臭い印象を受けてしまうかも(^^;

余談ですが、今回も「長瀬」のテーマは健在ですw

 

シナリオ  ライター:原田宇陀児氏

主人公に最初から彼女(森川 由綺)がいると言う、ギャルゲー的には掟破りな設定からシナリオはスタートします。
つまり「由綺以外のキャラを攻略する=浮気」ですので、罪悪感を感じたり等、ひどく切なくなる内容なのは間違いありません。

それを踏まえて書きますと、純粋な恋愛モノの中ではトップクラスを誇る出来かと思います。
アイドルになったため、またアイドルを彼女に持つためになかなか会えず、様々な思いが交差し葛藤を繰り返す主人公と由綺。
由綺を彼女に持つ主人公に対して、罪悪感を感じつつ思いを寄せるヒロイン。
それらの心理描写が大変素晴らしく、プレイヤーに悲しみと切なさ、そして感動を充分に与えてくれます。

特徴としては、主人公の意思がハッキリしていること。
普通ギャルゲーの主人公と言うのは無味乾燥で薄っぺらいものが多いですが、このゲームの主人公はちゃんとした「自己」を持っています。
よって感情移入が出来るか否かは、プレイヤーによって分かれると思いますね。
一見ヒロインが主軸によってストーリーが進行しているように感じますが、実際は「大切なものを失ってでも愛する人を選ぶ」と言う主人公の決断までの流れがメインです。
この決断がどうしても痛みを伴うものであり、鬱になる要素も兼ね備えていますね(^^;

問題点としては、まず由綺と主人公との恋人として過ごしてきた過程がほとんど描写されていないこと。
違うヒロインを選んだ時に「過去」と「現在」との比較ができれば、もっとシナリオが盛り上がったと思うんですけど。

それと、エンディングの終わり方について。
「浮気」をテーマとして扱うにはサッパリしすぎたエンディングが多かったと思います。
もっと踏みこんで言うと、そのテーマの結論としては不明瞭で弱い終わり方なんですよね。
話の筋は通っているので納得は出来るのですが、もう少しテーマに沿って上手い兼ね合いを持たせたエンディングだと良かったかと。

 

Hシーン

Leafらしくなく、脂っこいHシーンはありません。
ただこのシーンが「主人公の決断」を後押しする結果として存在するので、シナリオの流れ的には必要不可欠だと思いました。
内容がまったく同じな弥生さんとのHシーンを、何度も見た時はちょっと萎えましたけど(ぇ

 


検討と考察
粗削りな部分は多々見えますが、純愛モノの秀作。
ただし、万人には勧められないということも付記しておきます。
理由としては取り扱っているテーマと、システムの弱さですね。

「読ませる」大人の恋愛ストーリーだと思います。「キャラクター性」や「萌え」を求めてこのゲームをプレイするのはちょっとお門違いかもしれません(^^;

余談ですが、一見由綺はメインヒロインとしては若干地味な印象を受けますが、そんなことはないと思いますよ?
ネタバレになるので詳しいことは書けませんが、いろんな意味で彼女は一番"強い"です。強いからこそ、私は一番可哀想に感じました。
個人的な意見ですが、由綺のシナリオは一番最後にメッセージスキップ無しでプレイしていただきたいです。

今回はシステムの弱さ、シナリオ不整合、エンディングの不明瞭さを含め、万人に勧められないことを汲み取って辛口な評価ですが、実際はプレイヤーによって評価は大きく変わるゲームだと思いますね。
個人的には+15点付けてもいいです(ぉ

興味を持った方は是非手にとって頂きたい一本なのは、間違いありません。

結論
「大切なものを失って引き換えに得る、真実の愛」について学んだ。
って言うかクリアーした。

評価 70点

参考文献
■Leafオフィシャルホームページ

■For Long The Eirthさんより(攻略)
(ただしVer2.01に未対応)

■WHITE ALBUM Data Room
(攻略、データ、検証等)