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実験テーマ
月姫 (同人)
実験日時
2002年7月 総プレイ時間は28時間程度(推定)
実験の目的
「主人公の心理に潜む殺戮と狂気、その謎の鍵を握るヒロインと過去」について学ぶ

実験試料
メーカー
TYPE-MOON
ジャンル
ノベルADV
発売日
2000年12月29日
仕様等
CD1枚構成 
  
実験概要

死という概念は、確かな存在として有りながら不可視である現象である。
死は、見えない。
人間が認識するする死とは、一種のモノの結末でしかない。
死そのものを見る、という事は死体を見るという事ではなく、
生命を停止させる原因や、寿命をカタチとして見るということが死を視るということだ。
概念でしかないもの、カタチのないものを捉えられる眼は、魔眼と呼ばれる。
死を見る目は「直死の魔眼」と称され、魔眼の中でも最高クラスであるが、
その保有者は皆無だと言われている。

主人公・遠野志貴は、大きな悩みがあった。
八年前、大きな事故に巻き込まれて瀕死の重傷を負い、
その状態から蘇生した後遺症なのか、志貴の眼は今までの眼とは違っていた。
壁や地面、人間にラクガキのような『線』が見えてしまうのである。
何日かして、それがモノの死に切れやすい『線』だと知った時、志貴は自分の眼を嫌悪した。
偶然知り合った『先生』から特別なメガネを貰って、
それをつけている間は『線』が見えなくなった後でも、
志貴にとって自分の眼というものは、異常なモノとして頭を悩ませるものだった。 

十月も半ばにさしかかった秋。
遠野志貴は何年かぶりに自分の家に戻る事になる。
志貴は今まで親戚の家で生活をしていた。
その理由としては事故の後遺症である突発的な貧血を起こすという体質が、
遠野家の跡取りとして不適合と判断されたために、
親戚の家に預けられたからである。
妹である遠野秋葉を一人残していく事だけを後悔しながら… 

しかし、八年後の今。
父親は他界し、妹であった秋葉が遠野家の当主となった。
志貴は勘当を取り消されて実家に戻る事になる。
今になって遠野の屋敷に戻る事を志貴は歓迎していない。
もともと自由気ままな生活が性にあっている志貴には、
遠野の屋敷の重苦しい生活は好ましいものではなかった。
 
だが、屋敷には秋葉がいる。
八年前、秋葉を屋敷に一人残してしまった事への後悔。
今では秋葉が一人で暮らしているという事も重なり、
志貴は“家に戻って来い”という言葉を無視する事はできなかった。
今までと同じ高校に通う道。
今までと違う家への帰り道。
坂の上にある、巨大な洋館。そこで志貴は秋葉と再会する。
今までの一般的な生活とはかけ離れた日常の中、
志貴は遠野志貴として暮らしていく事になる。
それが、物語の始まりだと知らないまま。


実験結果
攻略キャラ

アルクェイド・ブリュンスタッド  
吸血鬼らしくない吸血鬼のお姫さま。
金の髪に赤い瞳、白い服が好きで昼間でもトコトコと街を歩いている。   
しかし見た目とは裏腹に、戦闘能力は吸血鬼たちの中でもトップクラス。   
性格はアーパー。でも素直なところもある。その傍若無人振りに、主人公は終始振り回されっぱなし。   
何の目的があって街にやってきたかは不明。主人公とはある出来事を経て、協力しあう関係となる。

シエル   
主人公が通う高校の先輩で、面倒見がよく、頼りになる人柄。   
学校では影の生徒会長として君臨し、教師たちにも信頼されているらしい。   
誰に対しても優しく、のんびりとした性格。しかし行動はシャキシャキしている感じ。   
たった一人?の茶道部の部員で、放課後は茶道室でお茶を飲んでいる。   
主人公と気が合うらしく、昼休みになるとお喋りをしにやってくる。

遠野 秋葉
8年前の事故が原因で離れ離れになってしまった、主人公の妹。   
長い黒髪の似合うお嬢様。だがその雰囲気に似合わず性格は気丈で勝気。   
主人公の父が他界し、名家である遠野家の跡取りとなった。   
厳しく育てられた彼女は、そのうっぷんを晴らすがごとく兄である主人公に、堅苦しい生活を強制してくる。
   
翡翠・琥珀
遠野の屋敷で働く、双子の使用人で、年齢は主人公と同い年ぐらい。
昔から屋敷で働いていたらしい。   
姉の琥珀は、いつも笑顔で世話好き。秋葉付きの使用人で、食事や庭の手入れを担当。   
妹の翡翠は、感情表現をあまりしないおとなしい雰囲気。
主人公付きの使用人で、屋敷内の清掃、管理を担当。   
まったく正反対に見える二人にはちょっとした秘密があるらしい。

 

システム 
安定しています。ただし、修正パッチがメーカーサイトに置いてあるので、それを絶対に当ててください。
ノベル形式ADVです。選択肢はあるものの小説を読んでいる感じ。
攻略もさほど難しくないです。でも良く死にます(笑)
BAD END後はヒントが貰える配慮もあるので、大丈夫でしょう。

セーブ数は20箇所。メッセージスキップはシーン単位の既読スキップと強制スキップの2種類。
このゲームは大まかに何個かのシーンで構成されているので、シーンスキップとはそいつを飛ばしていくってことです。
バックログもシーン単位でだけ可能。オマケはCG鑑賞のみです。

 

CG  
原画は武内 崇氏。大衆向けな絵柄で魅力的なキャラを書く方だと思います。
CGは背景が実写。このゲームのファンはどこの場所を撮影したのかを血眼になって探したりするんでしょうかね(^^;
塗りは少し粗い感じがしますが、慣れれば問題ないでしょう。

 

サウンド 
制作は芳賀 敬太氏。ピアノを用いた落ち着いた曲調がほとんど。
曲数は10曲で、CD-DA形式で再生されます。
今ではゲームの曲数の相場は20曲以上ぐらいですから、少なく感じるかもしれませんね。
敬太氏本人も、「あくまでBGMとしてゲームの邪魔をしない程度に、ストーリーを盛り上げる楽曲作りを行った」と言っています。

今では「EVER AFTER」という音楽担当・KATEと、KATE率いるユニット<NUMBER 201>による『月姫』のアレンジ・サウンドトラックが発売されていて、それをゲームの音楽CDとしてプレイすることも出来ます。
でもそれをやると以前のセーブデータが使えなかったり(;´Д`)

ちなみに音声はありません。  
このゲームは飽くまで小説ですので、音声は必ずしも必要ではないと思いました。

 

シナリオ 
吸血鬼・殺人鬼を題材にしたシナリオで、全12章前後で構成されています。
シナリオは「月の表」「月の裏」と称されている2つの流れに分かれていて、アルクェイドとシエルが表、秋葉と翡翠・琥珀が裏という位置付けになっています。  

表のシナリオは、吸血鬼をテーマにした内容で、ある出来事をきっかけに、その吸血鬼騒動に巻き込まれていく…といった感じ。
裏のシナリオは、殺人鬼の心理と狂気性をメインにした内容で、その中で主人公の知らない過去の秘密が明らかになっていくといった感じです。
裏と表は内容的には違うのですが、情報的には繋がっていてどちらもプレイして初めて真相が分かる、といった構成になっています。
  
肝心のストーリーのクオリティーなのですが、ノベル系の中でも最高峰の出来です。
同人なのにこのクオリティーの高さで、2500円と言う安さは驚きです。
他のメーカーさんのゲームがぼったくりに思えますよ(ォィ

とにかく長く、ひたすら文章の繰り返しなのですが、そこに冗長性を感じさせない素晴らしいストーリー展開と内容はプレイヤーに休む暇を与えません。
特殊な世界観なのでストーリーの背景や、内容を把握するのに戸惑う方もいるかもしれませんが、プレイしていくうちに登場人物の隠された過去や様々な謎が少しずつ見えてくる展開に、プレイを中断するところを判断しかねるほど没頭してしまうと思います。
  
そして登場キャラクターの魅力性もプラス要素の一つですね。
このゲームで萌えない男がコノヨニソンザイスルノデスカ?
アルクェイドとシエルの三角関係のドタバタ、
深い理由で笑顔を見せない翡翠が笑う瞬間、
つらく当たってくる秋葉の時折見せる優しさ、
琥珀さんの笑顔に隠された悲しい真相、
何もかもが最高でした。

 

Hシーン
主人公が鬼畜になるのは最近の流行なのでしょうか(ぇ
普段おとなしい感じを見せる主人公ですが、ここぞとばかりに本当の正体を見せてきます(^^ゞ

Hシーンはシナリオの最後の方に導入されるのですが、志貴君が頑張っちゃうので全てのキャラが2回戦以上(笑)
といったわけでHシーンはボリュームあります。全CGの半分を埋めるほどね。


 


検討と考察
同人ゲームのなかで最高クラスのクオリティーを誇る作品。
これならばメーカーとして会社を起こしても問題ないんじゃないでしょうか。
とにかくテキストを読むことが苦手な人以外は、間違いなくやっておくべきでしょう。

このストーリーで何回泣かされたことか…
驚愕の事実を知って何回叫んだことか…
魅力的なキャラに何回萌えたことか…

注意点として、プレイするキャラの順番をアルクェイド→シエル→秋葉→翡翠→琥珀 
としたほうがよりストーリーを楽しめると思います。
表→裏というふうに進まないと、内容が把握できない箇所が多く出てくると思われるので。
特に琥珀さんは絶対最後にプレイしましょう。
そうしないと彼女のストーリーを十分に楽しむことは出来ないですね(^^;


結論

「主人公の心理に潜む殺戮と狂気、その謎の鍵を握るヒロインと過去」について学んだ。
って言うか感動した。

評価 80点


参考文献
■TYPE-MOON オフィシャルホームページ

■萌屋本舗さんより(攻略)