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実験テーマ
水夏 (CD/DVD版)
実験日時
2003年5月上旬〜5月下旬  総プレイ時間は約18時間程度
実験の目的
「"人と愛"の側面を切り取った、ある一つの夏物語」について学ぶ
実験試料
メーカー
サーカス
ジャンル
ノベルADV
発売日
CD版:2000年7月27日 DVD版:2001年8月31日
仕様等
CD/DVD版、共に1枚構成 通常版:8,800円 初回版:9,800円(税別)
初回特典:アレンジサントラCD、描き下ろしカレンダー、アルキメデスTシャツ(DVD版のみ)
  
実験概要
海と山に囲まれた常磐村(ときわむら)。
常磐――“永遠に変わらない”と名付けられた村にも、やっぱり夏は訪れる。

漫画好きの巫女さん。お気楽な先輩。元気な妹と、お淑やかな恋人……。

神社の縁の下で出会った“名無し”の少女。
帽子につり下げた鈴を鳴らしながら、彼女が村を駆け抜けたとき、交わることのない運命の赤い糸が絡みあった。

冬の淡雪が溶けた世界で、夏の水にも暖かさを感じてください。


実験結果
登場キャラ+ストーリー紹介

このゲームは全4章+αのオムニバス形式になっています。
以下、章別のストーリーと登場キャラについて書いていきます。

第1章 ストーリー
主人公「風間 彰」は幼少の頃、家庭の諸事情により常盤村に引っ越してきた。
そこで出会う正反対な性格を持つ双子の姉妹、伊月と小夜。
やがて3人は共に同じ時間を過ごし、思い出を作っていく。
しかし、別れは突然だった。彰はまたしてもとある事情により常盤村を離れることになる。

そして数年後の夏―――常盤村に帰省してきた彰は、伊月と感動的な再会を果たすのだが…

水瀬 伊月
昔、常盤村にて彰と同級生だった少女。性格は内向的であり、本人はそれをコンプレックスに感じているらしい。
しかし彰との出会いから、徐々に自分の感情を表に出せるようになってくる。
再開を果たした現在では、常盤神社で巫女をしている。星を見ることと漫画が好き。

水瀬 小夜
伊月の双子の妹であり、彰の幼馴染である少女。性格は姉とは異なり、明るくて社交的。
思いこんだら一直線で先走った行動も多々見受けられるため、回りに迷惑をかけることもしばしば。
ハッキリしない伊月の感情を汲んで代弁することがあり、面倒見のいい面もある。


第2章 ストーリー
「死」をテーマに絵を描く天才画家を父に持つ白河 さやか。
彼女はそんな偏屈な父親を持ったためか、人からも疎まれた存在だった。

さやかの父親が開く絵画教室に通う主人公「上代蒼司」は、さやかと共に絵を学ぶ学生。
穏やかな日々が続く中、成績の悪いさやかから蒼司は家庭教師を頼まれるのだが…

白河 さやか
蒼司と共に父親から絵を学ぶ少女。可憐な外見とは裏腹に、性格は感情豊かで怒りっぽい。
勉強が苦手で、1歳年下である蒼司に家庭教師を頼むほどにその成績は悪い。
しかしそんなことは気にせず持ち前の明るさで、今日も元気に昼寝と散歩を繰り返している。


第3章 ストーリー
幼い頃、主人公「柾木良和」は家庭環境のいざこざから常磐村に引っ越してきた。
その時に出来た新しい関係。義理の妹の茜、友人の透子…

良和は常盤村から電車でしばらく行ったところにある医大に通う学生。
同居人で妹である茜に叩き起こされ、今では恋人となった透子と大学へ向かう日々。
そんな中、いつもの様にカウンセリングを受けている小林さんの元へ向かった良和は、その帰り道に突如言い様のない不安と違和感を感じるのだった…


柾木 茜
良和の同居人であり義理の妹。日焼け後がまぶしい元気な水泳少女である。
性格は明るく素直。感情も出せる範囲でストレートに表現する。
また、透子と兄との仲を取り持ったのも彼女である。

京谷 透子
腰まで伸びた長髪が似合う美人で、良和の恋人。
性格は内向的で、運動も苦手。自分で考えて行動するより、他人の動向を伺うことが多い。
良和の考えを最優先し、自分が愛されている安心と確信を求めて止まない一途な女性である。


第4章 ストーリー
ある事情により、常盤村の旅館「なると」にてお世話になっている主人公。
彼は姉である華子と共に、この村に住む病弱な妹、ちとせのお見舞いに行く日々を送っていた。
そんな生活の中、神社の境内にて出会う名前の無い不思議な少女。
お腹をすかして倒れそうだった名無しの少女を見兼ねて「なると」に連れ帰った主人公であったが…

“名無し”の少女
何か探しモノがあるらしく、村中をうろついている謎の少女。
国籍、年齢、名前も全て不明。本人の話によると忘れてしまったらしい。
性格はその幼い容姿通りに好奇心旺盛で天真爛漫。しかし時折大人びた一面も見せる。
相棒のぬいぐるみ“アルキメデス”をいつも抱いていて、腹話術(?)なのか会話も出来る。

千夏
村のあちこちに現れては、予言や警告を残したりする不思議な女性。
“名無し”の少女と深い関係があるらしい。

 

システム  CD/DVD版、共に修正パッチあり

システム全般からCG、シナリオ内容に関して、CD/DVD版共に大きな違いは見当たりませんでした。
音楽・音声に関してはDVD版の方が若干良い……はずです。
良いはずなのに両方同じに聞こえるのは何故だろう(;´д⊂)
システム周りは決して安定しているとは言えないので、フルインストール+修正パッチを当てることを推奨します。

起動する際にCD/DVDチェックをドライブにて行う仕様になっています。
DVD版は問題無いのですが、CD版はドライブによってこのチェックが数分かかったりする時もある上に、場合によってはエラーで強制終了させられる時もあります。
メーカーサポートを受ければ解決できますが、面倒に感じる方はDVD版の方がいいかも(^^;

セーブ数は、クイックセーブとシーンごとのオートセーブ、最新セーブを合わせて計60個。
攻略は簡単なのでオートセーブとクイックセーブだけでも十分クリアー出来ます。

メッセージスキップは[Ctrl]キーによる既読スキップのみ。強制スキップはありません。
読み返し機能は、シーン単位で最初まで読み直せます。ただマウスホイールに非対応で、[PageUp][PageDown]キーを使って実行する仕様になっています。
また、「あらすじモード」と呼ばれるスキップ形式を搭載しており、各シーンをあらすじだけで読み飛ばすことが出来ます。
これは大変便利で、再プレイやCG集めも容易に出来るでしょう。

オマケはCG・音楽・OPムービー鑑賞とイベント回想+α
特にイベント回想と言ってもHシーンだけでなく、シナリオ全てがが読み返せるという優れものだったりします。


CG  原画:七尾奈留/いくたたかのん/つきなが

またオープニングの画像が荒すぎるYO!
私、実は水夏の次作に当たるD.C.を先にプレイしたのですが、その時もOPムービーの画像がかなりヤバメだったんですよね。
CD版からDVD版になってもそのクオリティーは変わらず…せめてDVD版くらいはもっと良い画像を用意してください( ´Д⊂ヽ

キャラの絵は大変可愛くて万人受けする絵柄だと思います。正統派美少女と言ったところ。
CGのクオリティーは総じて高いです。
イベント絵、立ち絵共々そのパースは崩れることも無くギャップも見当たりません。
ただし背景が若干簡素に見受けられました。田舎町が舞台だから仕方ないのでしょうかね(^^;

あと問題点…と言うか不満が一つ。男性のキャラ絵が酷いです。
クオリティー云々より、そのデザインがヤバイよ…私は少し引きました(;´Д`)


サウンド  制作:猫野こめっと/tororo

BGMは全22曲で、OP・EDの2曲がボーカル入りです。
再生形式はPCM/CD-DAのいずれかを選択。CD-DA形式の場合同梱のアレンジサントラを使用するのですが、入れ替えるのも面倒なので出来るならPCM形式の方が良いかと思います。

BGMは彗星堂の猫野こめっと氏、ボーカル曲はtororo氏が制作しています。
シナリオの雰囲気に合った夏を感じさせる爽やかな楽曲が多く、そのクオリティーはかなり高いです。
お気に入りは「笑顔のままで」「夏風」「かなしいわかれのおと」「夏の終わりに…」辺りでしょうか。
特に「かなしいわかれのおと」「夏の終わりに…」の2曲は感動的なシーンで流れるため、涙を誘います。

OPテーマの「Fragment」も好きなのですが、若干ギター等の音のクオリティーが悪いので残念に感じました。
余談ですが、ギャグシーンで流れる「こみかる☆あくしょん」は、ネタ系の楽曲にしては素晴らしい出来だと思うのは私だけでしょうか(ぉ

音声は主要キャラのみフルボイス。声も雰囲気も合っているし演技力も総じて高いです。
ただ魅力的なサブキャラが多いので、可能なら全キャラフルボイスにしていただきたかったですね(^^;
4章の主人公の妹、「ちとせ」に関しては「アルキメデスのおくりもの」にてパッチが同梱されているそうです。


シナリオ  制作:呉一郎/御影

「生と死」「愛と人の醜さ」をテーマにした、良く練られた"切ない系"のノベルです。
私はシナリオを読んでいて感傷に浸ってしまうことが多かったですね。

テキスト自体は淡々としていて特別引き込まれることも無いのですが、内容が非常に生々しく人の心に直接訴えかけてくるシナリオです。
またその構成力が素晴らしく、視点変化等を巧みに用いた先の読めないストーリー構成は秀逸。
マウスを持つ右手が止まってしまうほど驚かされてしまうことが多々ありましたもん(^^;
二転三転するそのトリッキーな展開は読んでいてとてもスリリングに感じましたね。
トリッキー過ぎてついていけない方が出てくるかもしれませんが(ぇ

上述したようにこのゲームは全4章+αのオムニバス形式を取っていて内容自体はバラバラになっているのですが、時間軸は平行で各章のキャラ達が連動しています。
そして4章にて各章の話をまとめ上げる内容になっており、オムニバス形式でありつつもこのゲームは一つの壮大な「物語」であると言えます。
こう言う形式を取っているゲームは少なくないと思いますが、その中でも素晴らしい出来だと思いました。

若干残念だったところとしては、一貫したテーマにも関わらず、章によってはそのテーマ性が薄れてしまう内容があったことでしょうか。
1章や4章のようにファンタジー要素を用いてもいいですし、3章のようなサイコホラー的展開もありだと思います。
ただ2章に関してはそのテーマ性が薄れてしまっているかな…と思いました。内容自体は好きなんですけど(^^;
このゲームを一つの「物語」として捉えた場合に、どうしてもテーマから"浮いて"見えるんですよね。


Hシーン

シナリオに合わせているのか、比較的軽い描写です。
ただ2章は別物ですね。さやか嬢がこのゲームのエロ担当なのでしょうか(笑)

それと、"名無し"の少女とのHシーンはロリィな方必見かと(ぉ
よく見れば巫女とか義妹とか…バラエティーに富んだ構成でした(^^ゞ

 


検討と考察
構成力に富んだ痛く切ない良質ノベル。
「生と死」「愛と人の醜さ」をテーマにした生々しい内容…とか言っていますが、本当はこの物語は美しく綺麗なものだと私は思います。

恋愛とは人を傷つけ他人を犠牲にした上で初めて成り立つものであって、それでも愛のために突き進んでいく…
このゲームではそれがとても「人間」らしくて、とても美しいと感じたんですよね。
同時にその「人間」らしさがプレイヤーに恐怖も感じさせてくれます。
結局私達人間の中で、一番美しいものも一番怖いものも「人の感情」なのだなと思いました。

人の醜さを敢えて晒すことでプレイヤーに感動を与えてくれる、素晴らしいゲームだと思います。
多少の荒さも見え隠れしますけどね(^^;

ただやはり人を選ぶ内容であることも事実。
このゲームに関して言えば、評価は人によって変わりまくると思います。
まぁ基本的に凹んだり痛い話が苦手な人にはあまりお勧めできませんね。

個人的に言えば、もう少し萌え要素があってもよかったかなと(^^ゞ
シナリオには十分萌えられたんですけどね。特に3章とか(ぇ


結論
「"人と愛"の側面を切り取った、ある一つの夏物語」について学んだ。って言うかクリアーした。

評価 80点

参考文献
■CIRCUS HomePage

■SILENT NOISEさんより攻略