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実験テーマ
銀色 〜完全版〜
実験日時
2002年9月 総プレイ時間は12時間程度(推定)
実験の目的
「数奇な運命に翻弄される、銀糸を手にした者達の行く末」について学ぶ
実験試料
メーカー
ねこねこソフト
ジャンル
ノベルADV
発売日
2001年8月31日
仕様等
DVD-ROMとCD-ROM2枚組み同梱
  
実験概要
――かつて、銀は月からこぼれ落ちた雫を集めて作られた言われてきた。 

それは現実とは異なる美しい夢物語として伝わり、
いつの間にかお話の中だけの世界として消えていった… 

――人は本当の銀色を知っているのだろうか?

どんな願い事も叶うという不思議な銀の糸
悲しく光る銀の糸

――4つの時代を駆け巡る、銀の糸の物語

淡々と絡み合っていくストーリーが最後に結びつく時、
きっとあなたの中の「何か」が変わる…


実験結果
登場キャラ+ストーリー

このゲームは全4章編成になっています。章別ごとにキャラクター紹介をしてみます。
ただし、第1章のキャラは名前を挙げるとネタバレになるので伏せておきますね。

プロローグ
時は鎌倉時代。主人公は不思議な糸を持っていた。それは何でも願いがかなうと言う銀の糸…
彼は思うところがあり、その糸を持って旅に出ようとしていた。
皇族の娘であり、神聖な血を引く少女、石切(いすな)は、そんな主人公に一緒に付いていくことを志願する。
戸惑う主人公。しかし、数奇な運命への扉は、既に開かれていた…

第1章 逢津の垰 
時は平安時代。舞台は月が寂しく輝く峠。閉ざされた暗い日常から、なんとなく逃げ出したヒロイン。  
未来への目的が何も見えず、漠然とした日常の中、垰で野盗になっている主人公。
生きる実感も無い二人が、出会った事から物語が始まる。
ヒロインは極端に言葉数が少なく、どこかボーっとしている。
冷酷で淡白な性格の主人公は、そんなヒロインを最初は拒絶するが…

第2章 踏鞴の社
時は鎌倉時代。舞台はとある山合いの里。  
そんな静かな里で、父親から突如田舎の査察を命じられた大家の息子である主人公は、滞在先である神社にて一人の巫女と出逢う。
名前は狭霧。毎朝早くに起きては境内の掃除をしたり、食事の用意をしたりと何事にも一生懸命で健気な性格なのだが、失敗も多くどこか抜けているところもある。
しかし、その失敗にめげない反骨精神も持ち合わせている。

第3章 朝奈夕奈
時は大正・明治時代。舞台はとある仲の良い姉妹が経営する飲食店。
努力家で真面目な姉の名は夕奈。甘えん坊だけど頑張り屋さんな妹の名は朝奈。
両親を早くに失ってしまったその姉妹は、手を取り合って両親の残した店を切り盛りしていく。
平凡だけど幸せと呼べる日常がそこにはあった。
そして、なんとなくその店に訪れた軍隊兵の主人公。
そこから複雑に絡み合う物語が始まる… 

第4章 銀色
時は現代。舞台は小さな町にある、とある喫茶店。主人公はその小さな町で一人暮らしをしている大学生。
夏休み、退屈な日常を過ごしていた主人公は、なんとなく訪れた喫茶店にて一人の少女と出逢う。
彼女の名は篠崎あやめ。家業の喫茶店を手伝っている。
健気で真っ直ぐなあやめ。しかし彼女には誰にも言えない秘密と哀しみを背負っていた。

 

システム 
ノベル形式のアドベンチャーです。
選択肢はあるものの、普通にプレイしていればまずバッドエンドになることはまずないと思います。
メーカー側の話では、字幕の映画を意識した作りをしているらしいです。
と言うわけで、横長の画面表示。その下のほうに2行ほど出て来るテキスト。雰囲気作りとしては良いと思います。
また、テキストを英語の文章に変えることも可能です。声優さんが話すセリフは日本語のままですけどね。

セーブ数は20箇所。充分な数ではないでしょうか。
メッセージスキップは既読判定が付いていません。読んでいようが無かろうが強制的に文章を飛ばしまくりです。
文章読み返し機能と、文章自動送り機能も付いています。こちらは、なかなかの出来。
オマケはCG鑑賞、音楽鑑賞、シーン回想、おまけショートストーリーと、一通り揃っているので文句なしです。
CG鑑賞モードで閲覧できないCGがあるのがちょっと残念ですかね。

 

CG  

原画は白凪マサ氏・綾瀬悠氏・秋乃武彦氏・葵渚氏の4人
原画が統一されていないので描いているキャラ絵に多少ばらつきを感じたものの、悪くない出来だと思います。
少し人を選ぶ絵かもしれませんが(^^;

立ち絵の体の作りや目線が微妙なところも少し見受けられましたが、気になるほどではないでしょう。

 

サウンド  
製作担当はえび氏・SIMO氏・443氏・まにょ氏・キャッツ氏等。
再生形式はPCM音源で、全34曲。ボーカル曲は3曲。ゲームプレイ中では、使われていない楽曲もあります。

そしてこの音楽なのですが…正直びっくりしました。
はっきり言って楽曲のクオリティーはトップレベルです
更には聞いていてゲームミュージックに聞こえないような楽曲が数曲あります。恐らくこれらの楽曲も映画を意識したものなのかもしれません。

「つかぬまのアンチ・テーゼ」「先人はかく語りき」「語り部」「悲しくも儚き愛」等は、
もはやゲームミュージックの枠を逸脱しているような楽曲にさえ思えます。素晴らしい!
恐らくサントラを購入して聞いてみたら、映画のようにゲームのシーンが思い出されるだろうと思います。
少々残念なのが、似たような曲調が多いせいか、聞き飽きてしまう感があるかもしれないところですかね。
  
ストーリーが暗いせいか、楽曲も全体的にピアノ主体で大人しいタッチの曲が多いです。
お気に入りは「Of One's Pure」「銀色」「石切」「終章」辺りですね。

 

シナリオ 
シナリオは全4章+αの構成になっています。
それぞれ時代背景、登場人物等は違っていて、別々のものとして捉えてもらってもいいと思います。
いずれも銀糸にまつわる悲しい話で、大抵は救われないものとなっています。

特に第1章、涙用のティッシュの準備をお勧めします。
そして第3章、恐らくプレイしていて重度の鬱になると思われます。
それぐらい話が…痛いんですよね。

さて、このゲームは完全なノベルなので、選択肢に重要性は感じられませんでした。
ゲームの目的はヒロインと仲良くなることではなく、事の顛末を見届けることなのです。
で、そのストーリーの展開の仕方がかなり巧み。
場面によって、ヒロイン視点と主人公の視点が入れ替わることで臨場感を持たせたり、現在と過去を振り返ることで話の展開の内容を広げていく方法は、プレイヤーを話に没頭させるのに充分な仕様だったと思いました。

冗長な部分がないとは言い切れないのですが、話自体がとても良いので苦にならないと思われます。
やっぱり痛くて悲しい話なんですけどね(^^;
ゲームクリアー後のオマケシナリオが笑えるので、それが唯一の救いかと。

 

Hシーン

ストーリ―の性質上、ラブラブな展開は期待しないほうがいいと思います。
1章に関してはHシーンそのものが無いですしね。

おまけシナリオでHシーンもあるのですが、そちらでは十分萌えられるかと。
「虎だ!俺は虎になるんだ!」は名言です(笑)

 


検討と考察
ノベルゲームの最高峰と言える1本。
痛くて悲しい話に少しでも抗体を持っている方なら、是非プレイすることをお勧めします。
このクオリティーで、しかもDVD−ROM版とCD−ROM版が同梱で、3600円は破格だと思います。

それにしてもこんなに泣いたのは久しぶりでした。
救われない話が続くのですが、4章の最後でようやくハッピーエンドです。
これとクリアー後に見れる、笑えるオマケシナリオがなかったら私もしばらく鬱状態から立ち直れなかったでしょうね(^^;  


結論
「数奇な運命に翻弄される、銀糸を手にした者達の行く末」について学んだ。
って言うかクリアーした。

評価 90点


参考文献
■ねこねこソフトオフィシャルホームページ

■Piece Of Key Heartさんより(攻略)